オーダー家具 大辞典
―夢広がるオーダー家具のある暮らし―

オーダー家具店の選び方

オーダー家具はどこで売っているのか

オーダー家具を扱っている業者を探すには、ネット検索が一番です。オーダー家具を扱っている業者は、実店舗やショールームを持っているところが少なく、小規模な企業の場合が多いです。街で看板を見かけることも少なく、新聞のチラシや雑誌広告を載せる業者も少ないので、(なのでオーダー家具の認知度は低いのかもしれませんが・・・)情報は自分から探しにいかなければいけません。(業者の探し方については後章で説明をします。)

近所に「○○工房」や「○○木工所」があれば訪ねてみるのも一つの手です。それでも、ネットで下調べをしてからの方が良いかと思います。

オーダー家具を扱っている業者は、店舗やショールームを持たない分、宣伝広告、特にインターネット広告やホームページに力を入れる傾向にあります。

また、工房や木工所には、それぞれスタイルがあります。量産品を得意としているところ、少ロットの民芸品的な家具を扱う工房、店舗専門のところ、オーダー家具に特化している工場などがあります。

オーダー家具を扱う業者のなかでも、椅子やテーブルに強いところ、無垢材に強いところ、箱もの(収納家具)に強いところがあります。ご自分の欲しいアイテムが得意な業者を探すことが重要になります。

ホームページに力を入れている業者は、積極的に自社の得意分野をアピールしているので雰囲気ですぐに分かるかと思います。規模もある程度重要ですが、施工実績の多い業者の方が、インターネットで家具を売る為のノウハウを積み上げてきているので、より安心です。

更に、オーダー家具は、対面での打合せや取付工事、納品後はメンテナンスが発生する場合もあるのでエリアの選定も大事です。

テーブルや椅子などの置き家具、小規模のオーダー家具の場合は打合せが対面でなくても進める事ができるのでその限りではありませんが、ある程度の規模になるとやはりエリアの選定は重要になります。

ネットで業者を検索する場合は、「オーダー家具 ○○」といったキーワードでの検索される方が多いです。「オーダー家具」に加えて、エリアやアイテムなどの二次候補を追加すると良いでしょう。

下記のようなワードがおすすめです。

  • オーダー家具 東京(自分の地域)
  • オーダー家具 食器棚(アイテム)
  • オーダー家具 壁面収納(アイテム)

詳しくは、後章の『どこに発注するべきか』でさらに詳しく説明をしますが、オーダー家具はネットで探す。これに尽きます。

見積りの依頼方法

見積りの依頼方法としては、まずは気になる業者を数社、目星を付けることから始まります。前章でも触れたように、ショールームを持っているところに直接出向くか、ネットで検索することになるかと思います。

また、知り合いにオーダー家具を納品した人がいれば、そこの業者の評判を聞いてみるのも良いかと思います。弊社の場合、ありがたいことに知人からの紹介のお客様も増えてきています。知人からの紹介の場合は、ひとこと「知人からの紹介です。」と業者側に伝えた方が良いかと思います。(私の場合、特に気合が入るので・・・)

候補にする業者は、次の5点に留意すると良いでしょう。

①自分の住んでいる(家具を設置する)エリアを範囲としている
遠方の業者は打合せやメンテナンスが発生した際、小回りが利かないことがあります。
②自分の欲しいアイテムを得意としている
無垢材が得意なところ、収納家具を得意としている業者があります。
③エンドユーザー向けのオーダー家具に対する本気度が高いか
何かの片手間にオーダー家具を展開している会社もありますし、エンドユーザー向けのオーダー家具に特化しているところもあります。(ちなみに弊社はほぼ100%エンドユーザー向けの体制です。)エンドユーザー向けオーダー家具に特化している業者の方が経験、ノウハウも多く安心感も高いと言えます。
④施工例やお客様の声などの実績を多く紹介している
⑤金額が明確である

ここでは、ご自分のおおよその予算から多少の高い、安いはあまり気にしなくても良いです。あくまでも、信頼度や実績の高そうなところを探してみてください。ここでフィルターをかけると、ある程度候補の業者が見つかるかと思います。

見積りは何社に依頼をするべきか

候補の業者を数社見つけたら、更に絞り込みをかけます。では、見積りは何社に依頼をするのが良いのでしょうか。私は3社~4社くらいが適当かと思います。勿論、気になる業者が多数ある場合は、それ以上でも構いません。

「自分に合うオーダー家具をゆっくり探したい」という場合は、見積りの数は多い方が、より多くの情報が得られます。「引っ越しまでには家具が欲しい」等と、あまり時間のない場合は、多すぎると絞り込みに時間が掛かる場合があります。

ちなみに、弊社で実施しているアンケートでは、2~3社に見積もり依頼をしたお客様が最も多い結果が出ました。

アンケート

意外なことに1社(GNASHのみ)という回答も37%と多かったのですが、実際には相場感を養うためにも数社には見積り依頼をかけた方が宜しいかと思います。

実際に見積りを依頼してみよう

候補の数社が決まりましたら、実際に見積りを依頼してみましょう。

最近では、ほとんどの業者で無料見積りは当たり前です。更に、サンプルの手配や対面での打ち合わせ、提案図の作成なども無料で実施しているところが多いです。まずは、気楽な気持ちで問い合わせてみましょう。

依頼方法としては、①メール②電話③FAXがあります。おおよその金額や対応を確認したい場合は、メールだと気軽に問い合わせができます。至急、詳細を知りたい場合、本命の業者に問い合わせたい場合は、電話でも良いかと思います。

見積りを依頼する場合の注意点は3点あります。

①寸法や使用したい素材(決まっている場合)等の情報をなるべく細かく記入する

見積りは寸法と素材を元に算出します。特に、奥行は30センチや45センチが見積り上の目安になります。例えば、奥行30センチと32センチでは金額が変わる場合がありますので、「本当に必要な寸法か」を気にするとコストを下げやすくなります。

また、使用する材料の種類でも金額が変わりますのでイメージが湧かない場合は、「相談したい」などと明記するのもポイントです。

②形状のイメージ資料・画像を添付する

私は毎月100件以上のオーダー家具の見積りをこなしていますが、情報が少ないと詳細見積りをお伝えできない場合があります。寸法からの概算はお伝えできますが、実際のイメージで扉や引出し等の数が極端に多かったりすると、当初の概算より金額がぶれてしまう場合があります。

ここでのイメージは、簡単な絵や写真などで構いません。この資料があるだけでかなり詳細の金額を出すことができ、提案をすることも可能になります。

画像や絵で伝えるのが苦手な場合は、備考欄などにコメントだけでも構いません。 例えば次のようなコメントです。

【食器棚の場合】
  • 上下が分かれている形
  • 面材はシステムキッチン合わせ
  • 炊飯器とゴミ箱を収納したい。
【壁面収納の場合】
  • 基本的に全部隠したい
  • 一部写真などを飾るオープンスペース
  • 引出しは○箇所
  • パソコンで作業するデスクも組み込みたい。

このようなコメントでも、下記のような資料を添付頂ければ、より詳細なお見積もりをご用意できます。なるべくこの段階でイメージを伝えることが大切です。

また、オプション会等でもらった資料を金額を伏せて送っていただくことも有効です。

③希望予算は入れない

「予算は○○円です」と伝えてくれる方がいますが、私はこの段階では予算を伝えない方が良いかと思います。施工事例に金額が記載されていれば、その業者の価格がおおよそ分かります。施工事例の金額を参考にしながら、まずは、素のままの情報から各業者の金額を比べるのが宜しいかと思います。

オーダー家具は、相場を算出するのが難しく、定価がない場合が多いです。実際の予算より安く上がる場合でも、業者側は「予算を越えなければ大丈夫」と操作をしてしまうケースもあるからです。

ある程度、見積りが出揃ったら「○○社の金額は適正か」を、別の業者に見積り診断をしてもらうこともありかと思います。

以上の3点に留意し、見積りを依頼すると、業者よってはかなりの価格差があることに気付くかと思います。(このロジックについては後章でご説明します。)

ここまでの作業でご自分の理想の家具の相場感が見えてくるかと思います。

見積りではここを見よう

候補の業者から見積りが届いたら、下記の項目を確認してみましょう。形状や寸法が同じでも、仕様が違うと金額が変わってくるからです。また、金額以外にもチェックしておくべきポイントがあります。

(1)材料・金物について

①素材は適材か
  • 化粧合板を使用する場合、扉や天板には傷に強い素材を使用しているか。
  • 一般的には、傷に強い素材(メラミン化粧合板)は高価、紙を使ったプリント化粧合板は安価です。素材が適材適所で使用されているかを確認しましょう。
②金物のグレード
  • 最近は、扉・引出しレールはソフトクローズが主流です。ソフトクローズがオプションの場合は追加金額の把握をしておくと良いでしょう。
  • 引出しのレールも、引出し箱が完全に手前まで引き出せる完全スライドと、全部引き出せない4分の3スライドで金額が変わります。ここも確認をしておきましょう。

完全スライドシステムレール 完全スライドシステムレール

③耐震金物
  • 目線より上の扉には、耐震ラッチが標準で付いているか確認しましょう。

このご時世、耐震ラッチは必要金物です。
通常、目線よりも上の扉には、耐震ラッチを付けますが、クローゼット等のアイテムには付いていない場合もあります。

耐震ラッチ 耐震ラッチ

(2)見積り条件について

①税込価格か
  • 見積りは税込金額で把握しておきたいので税込表示になっているかの確認も必要です。税込表示をしないで余白に小さく『消費税は別途』と記載されている場合があるので注意しましょう。
②諸経費について
  • 打合せや図面作成の諸費用が含まれているかの確認も必要です。
③運賃・搬入取付費について
  • 運賃や搬入取付費も含まれているかの確認も必要です。

(3)納期について

希望納期がある場合は、製作期間や工事(取付作業)の日数、施工時間の把握も必要です。引越し等に合わせて家具の納品を希望される場合も多いかと思いますが、オーダー家具の製作期間は短くても3週間以上はかかります。

弊社では通常は1か月、春先の繁忙期ではさらにプラス1週間程を見て頂いております。製作期間の他、更に打合せや図面等の資料の準備期間がありますので余裕を持ってスケジュールを組む必要があります。

弊社でもタイトなスケジュールの場合は工場での段取りを調整したり、メーカーに部材の納期短縮依頼をかけたりと手を尽くしますが、それでも正直、間に合わない場合があります。

希望納期を叶えてくれる業者を探すのも一つの手ですが、家具は納品されてからが本当のお付き合いです。その後20年以上も使用するのですから、間に合わせの考えはあまりお勧めできません。

ある程度の規模があり機動力のある工場(業者)が忙しくて間に合わないのは、むしろ人気のバロメーターと判断することも可能かと思います。

(4)支払い条件について

支払い条件は、主に3通りのパターンがあります。
  • 契約時に全額支払い
  • 契約時に手付金(あるいは半金程度)の支払い
  • 支払いは納品後、確認をしてOKなら支払い

言うまでもなくユーザーにとってリスクが少ないのは③ですが意外な程、後払いの業者は少ないです。

オーダー家具は納品時まで現物を確認できない場合が多いので不安に感じる場合があるかと思いますが、支払いは納品された家具を確認、納得をしてから払うということができるだけで不安は和らいでくるかと思います。

万一、納品された家具が納得できない場合は、対策も立てやすく業者も逃げることはありません。

弊社は後払い式ですが、通常は打合せの段階でお互いの信頼関係が生まれるので心配はしていません。

以上の条件を踏まえて確認をすると、思いのほか同条件でも価格の差が発生してくる場合があります。安いところは安い理由が、高いところは高い理由があり、その理由も明確に把握をする必要があります。

オーダー家具に定価はありませんが適正価格はあります。経験上、価格の高い業者の家具は、すべてデラックスな材料を使い、最高の技術で製作・施工をしているかと言えばそうでもない場合が多いです。また、価格が安いけど、製作から設置までがそれなりの場合もあるので、業者選びは見極めが非常に難しいところです。

同じ条件の家具であれば信頼できる業者から、なるべく安く買い安心して長く使用したいと思うのは誰もが思うことで、ここに業者選びの難しいところがあります。金額が高いところのカラクリ、安いところのカラクリは後章で説明をしますので参考にして下さい。

最終的には1社に絞ることになるのですが、高い理由、安い理由と業者の強みまでを把握して、トータルでご自分に合った業者を選定することが、オーダー家具購入での最大のポイントになります。

金額だけでの判断は禁物

各社からの見積りは予想していた通りの金額でしたでしょうか。候補の数社からの見積りが揃ったら、改めて条件、仕様、金額を整理してみましょう。

オーダー家具は定価がないので、同じ条件で見積りの依頼をしても、各社からの回答はマチマチです。思いのほか、金額に差があってビックリすることもあるかと思います。オーダー家具は、金額の安いところは品質が低く、金額の高いところは高品質と言えないところに業者選びの難しさがあります。

オーダー家具の金額が決まる要素は、主に『工場の製造原価』と『マージン』です。

『工場の製造原価』は、設備力・職人のスキル・仕入れ力で変わってきます。設備が整っていれば、精度の高い加工を短時間でこなせます。(P47参照)また、職人のスキルが高いと、精度の高い家具をより短い時間で仕上げていくことが可能です。仕入れ力が高いと、メーカーから直接材料や部材を仕入れることができます。直接仕入れができない場合でも、たくさん買っている分、得値を出して貰えます。つまり、これらに力を入れている工場は高品質な家具を低コストで提供できる仕組みが整っているのです。

また、『マージン』も各社で大きな開きがあります。ショールームがあったり、工場を持たずデザイン力や提案力を売りにしている業者は、マージンが高くなる傾向にあります。弊社の様に、直接オーダー家具を提案、提供している形態では低マージンの傾向にあります。

私は、この『マージン』を否定するつもりはありませんが、少なくとも「あの業者は高いだけ、安いだけ」と評価されることは、絶対に避けなければいけません。より良いオーダー家具を提供する為には、少なくとも作り手側と提案側が優れていることが必要であり、双方のバランスが取れていることが大切です。

結果、値段が高かったとしても、その業者のデザイン力や提案力、実績や理念に共感できるのであれば、トータルで満足のいく家具を手に入れることができます。値段だけで選んだ結果、納まりや使い勝手に満足できないようでは本末転倒です。

したがって、金額だけで業者を判断をするのはリスクを伴います。見積り金額だけでは見えてこない理念やスキルと実績、安心感までを考慮し、自分が一番共感できる業者を選ぶことが最大のキモになってきます。

値引きはするべきか

値引きは売り手側からの個人的な意見ですが、あまりおすすめはしません。ただし、節度を持った交渉は当然可能です。予算の枠があり見積りが枠を超えてしまった場合、枠に近づける様な提案を求めたり、交渉をすることは、積極的にした方がいいでしょう。

私はオーダー家具の見積りを月に100件以上していますが、たくさん儲けようと思って算盤(そろばん)をはじくことはありません。原価に手間工賃と諸経費をたすだけのシンプルな金額設定をしています。

ただ全く値引きには対応しないかと言えばそうでもありません。状況によっては対応をしています。

そこで私が感じる、正しい値引きの方法とダメな値引きの方法を披露します。中には裏技的に使えるものもあるかと思いますので実践してみて下さい。

(1)いい値引き

「どうしても○○さんで作ってもらいたい」と、その会社の理念や家具に共感していることをアピールする
名指しで指名をされると何とか対応したいという気持ちになるからです。
繁忙期は大幅値引きをしてまで仕事を増やせない場合があるので時期的に待てるのであれば、落ち着いた時期に製作の依頼をする
金額を値引くよりは追加やオプションで発生した小物をサービスしてもらう。
例えば、追加で増えた引出しや棚板など、金額を引くよりは現物値引きの方が協力しやすい場合があるからです。
搬入・取付の現場作業でサービスの追加を交渉する。
例えば、壁掛けテレビの設置や施主支給のコートハンガーやホスクリーン、小物の取付などです。
値引きの変わりに打合せから施工後の情報を提供するモニターになることを提案する
ホームページのコンテンツに力を入れている業者であればなびく可能性があります。

(2)ダメな値引き

材料や金物の品質を下げて金額を下げることを要求する。
結果的に耐久性を下げることになり、家具を長く使えないことになる場合があります。
上から目線の値引き
「○○社ではいくらだったから合わせられるはず」、「自分では○○円で作れると思っているから」と難しい指値を迫る方がいます。オーダー家具はユーザーと製作者が協力、信頼してこそいい作品が出来上がるものなので、信頼関係を築くのが難しくなります。
大幅値引きをする代わりに知人やコミュニティーで紹介をするという駆け引き
紹介や口コミはお互いの信頼があって発生するものなのでやはり信頼関係を築くのが難しくなります。
今回この金額で納品をしたら他の部屋の家具も任せるという駆け引き
こちらも初回のきつい金額がベースになることが見えているので次回注文があったとしてもテンションが上がらないことになります。

以上、私が経験してきたいい値引きと悪い値引きを上げてみました。一番に感じることは、同じ金額を値引きするにしても気持ちよく値引きができる場合と、そうでない場合があるということです。

信頼関係を築けなくなるような値引きは、トータルでは損をすることになるかもしれません。逆に、大幅指値を1発OKする様な業者には気を付けた方がよいかもしれません。いままでの金額は何だったのかと思うでしょう。

見積りは各社とも自社の強みを発揮できる金額を伝えているはずなので、節度と線引きが必要なのです。

工場の見分け方

オーダー家具は、どの形態の業者に発注をしても、必ず工場での製作が必要になります。売る側と工場側がしっかりとしたパイプで繋がっているかが肝心となります。ここがしっかりしていないと、売る側は注文を取って、工場に発注をしても他の仕事で忙しく対応できず、その先のヒマで不慣れな工場にタライ回しにされがちです。

また、工場も熟練職人が製作しているのは勿論のことですが、どれだけ機械化されているかも重要なポイントとなります。機械が充分に揃っている工場は、手作業工程の多い工場よりも高精度な製品を低コストで製作できるアドバンテージとなるからです。少々マニアックな話になってしまいますが、私が感じるオーダー家具製作には欠かせない機械を3つ紹介します。

(1)サイザー

この機械は家具の各パーツを正寸(狙った寸法)にカットする機械です。一見、当たり前のように思われがちですが、パーツをまっすぐバリ(※)が出ないように、そして正確にカットするのは、実は結構難しいのです。

この機械は、弊社の場合はノコ刃を5枚装着しているので、短時間でバリを出さず正確にカットすることができます。この段階でパーツを正確に仕上げるということは、大きなアドバンテージとなります。

※バリとは、材料を加工する際に発生する凹凸やひび割れなどのことです。

サイザー サイザー

(2)縁貼り機

縁貼り機は、パーツの縁の部分に化粧材を貼る機械です。ここの仕上がりはとても重要です。私は他社の家具を見るときは、まずこの部分を必ずチェックします。つまりここを見るとその工場のレベルが分かるということです。

この部分が雑だと安っぽい家具に見えます。また、しっかり貼れていないと剥がれてきたりするので耐用年数を全うするのが難しくなります。縁貼り機のないところは手貼りをしているのですが、縁貼り機を使用したほうが、どんなに熟練な職人が貼るより数倍もスピーディーかつ綺麗に仕上がります。

私も職人の新人時代には、当時の工場にこの機械がなく手貼りをしていました。機械を使ったことがなかったので当たり前のように手貼りをしていました。綺麗に仕上げるのもかなりのコツがいり、紙やすりでの仕上げや接着剤を拭いたりする後工程も大変でした。そのうち機械が入ってからというものは、手貼りの数倍以上のスピードに後工程の仕上げも不要になり、機械のありがたみを痛感しました。

手貼り時代を経て、随分とこの工程には自信がありましたが、縁貼り機とは腕を張り合う気すら起きません。1回セットすれば誰が作業しても同じスピード、同じ時間で仕上がります。つまり、スキルのある職人は別の工程をどんどん進めることができ、この作業はアルバイト君でも充分対応できるのです。ここでも大幅に生産性を上げることができ、コストダウンに繋がることになるのです。

縁貼り機 縁貼り機

(3)NCルーター

NCルーターも、もはや手放すことができない重要な機械です。この機械はパーツに穴を開けたり、削ったりする機械です。家具はさまざまな部材で構成されており、穴を開けたり、金物を付けたり、色々な形状に加工をする必要があります。

この加工も熟練職人さんは当然、手作業でこなすことが可能ですが、機械はその数倍のスピードでかなりの高精度で加工をすることができます。

ただし、この機械は先ほどの2つの機械のように、誰でも使いこなせるものではありません。加工のプログラミングはもとより、機械のクセまで知る必要があります。この機械を手足のように使いこなすまでには、かなりのスキルが必要となります。スキルのある職人が扱ってこそ、100%の力を発揮する機械なのです。

主要なパーツを高精度で仕上げる事ができるということは、高品質の家具を作ることに直結します。

NCルーター NCルーター

私は、この3種類の機械を「三種の神器」と呼んでいます。オーダー家具を製作する上では、この三種の神器(サイザー、縁貼り機、NCルーター)をもっている工場は、品質面とコスト面でかなりのアドバンテージを持っていると断言できます。

全ての工程を短時間で完璧にこなす職人は、今ではかなり少なくなってきました。必要な箇所は機械の手を借り、最終的な仕上げは熟練職人がこなすスタイルは、オーダー家具製作の上では最強だと思います。

オーダー家具を発注する際には、製作工場のことまでは見えてこないのが現状ですが、どんな工場で自分の家具が製作されるのかは、知ってはおきたいポイントですね。見積りや打ち合わせの際には、工場の設備について確認をしてみることもリスクを減らす要素になります。

GNASH工場風景 GNASHの工場風景

どこに発注するべきか

では、オーダー家具を発注する際の一番重要な業者選び、『どこに発注するべきか』を私の持論で説明をさせて頂きます。ここでもう一度、オーダー家具を提供している業者の特徴をまとめてみたいと思います。

(1)マンションのオプション業者

マンションを購入する方には気になる存在。安心感を優先する方にはおすすめです。

  • 大手が提供するので安心感があり通常、引き渡し時には家具が設置されている
  • 場合によっては寸法や仕様等、細かい要望が通らないことがある
  • 価格は高いが、早期割引や値段のこなれたシリーズがある

(2)オーダー家具専門店

オプション家具に精通した業者が多いので、オプション家具と同等品をよりリーズナブルに提供しています。

  • 細かな要望にも対応可能でデザインや提案も売りにしている。
  • WEB検索すると、この形態が多いことがお分り頂けると思います。施工実績のほか、金額や保証内容などを、トータルで比較、検討して共感できる業者を候補にしていくと良いかと思います。

(3)ハウスメーカー、リフォーム・リノベーション業者

新築戸建てやリフォーム、リノベーションを検討している方は、建物と一緒にオーダー家具も同じ施工会社に依頼をしやすいという利点があります。

  • 家具代金をローンに組み込んだりすることも可能です。
  • しかし、実際は打合せ、製作、施工は他社や他工場に依頼をするので、マージンを考えると分離発注して家具は施主支給という形をとる方も多いです。
  • 実際弊社にもこういった業者からの依頼と新築戸建て、リフォーム、リノベーションを検討しているお客様からの問い合わせ、発注も多いです。

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