前回は冷蔵庫上吊り戸棚の“仕様”についてお話しをさせて頂きました。
必要に応じて扉の有無から素材に開き勝手、本体色もセレクトでき、梁や既存コンセントがあっても対応できるメリットのお話をさせて頂きました。
そして、冷蔵庫上吊戸棚の“納まり”は設置場所の壁の形状やサイズにより大きく左右されてきます。すなわち、家具の寸法(『高さ』『幅』『奥行』)も設置場所の壁の形状に左右され、必要な収納力を確保できるか否かの判断の基準になります。
今日はそんな既存壁と冷蔵庫上吊り戸棚の納まり(寸法)の関係を説明させて頂きます。
既存壁と冷蔵庫上吊り戸棚 高さの関係
冷蔵庫上吊り戸棚の高さはキッチンの床〜天井までの高さと冷蔵庫収納スペースを元に確定します。床~天井までの高さは、戸建の場合は240センチ前後が一般的な寸法となります。(あくまでも一般的な基準です。)一方、マンションの場合では215センチ前後が多いかと思います。(最近では220センチの物件が多いような感じがします。)
そして、冷蔵庫の収納スペースは一般的な冷蔵庫の高さ(183センチ前後)に冷蔵庫と吊り戸棚までのクリアランスを5センチみて188センチを基準としています。(こちらもあくまでも基準です。)
従って、冷蔵庫上吊り戸棚の高さは先の一般的な基準から
- 戸建ての場合は240センチ-188センチ=52センチ
- マンションの場合は220センチ-188センチ=32センチ
戸建てでは52センチ、マンションでは32センチとなります。
更に、以外と見落としがちなのが実際に収納することができる有効高さなのですが、家具の部材の厚み(幕板や天板、地板などの部材)が6~7センチ取られてくるので実際のところ冷蔵庫上吊り戸棚の有効寸法は戸建ての場合で45センチ程、マンションの場合では25センチ程になります。(可動棚を付ける場合は更に2センチが引かれてきます。)
戸建てでの冷蔵庫吊戸棚の事例
こちらの事例の寸法は下記の通りです。
- 床~天井の高さ239.5センチ
- 冷蔵庫収納スペース188センチ
- 冷蔵庫上吊り戸棚の高さは51.5センチ
これ位の高さが取れる場合、収納力は充分であると言えます。
マンションでの冷蔵庫吊戸棚の事例
こちらの事例の寸法は下記の通りです。
- 床~天井の高さ211.5センチ
- 冷蔵庫収納スペース188センチ
- 冷蔵庫上吊り戸棚の高さは23.5センチ(有効高さ17.5センチ)
やはり、戸建てと比べるとマンションの場合は吊戸の高さは低くなりがちです。しかし、有効高さは17.5センチですが幅が71センチ、奥行きは59センチとこの2つは余裕があります。マンションの場合は高さは取れずとも幅、奥行きまでを考慮して収納として使えるかを見極めます。
高さ14センチの冷蔵庫上吊り戸棚の事例
こちらの事例はマンションでした。
- 床~天井の高さ200センチ
- 冷蔵庫収納スペース186センチ
- 冷蔵庫上吊り戸棚の高さは14センチ(有効高さ8センチ)
幅が70センチ、奥行が59センチと大きいので、レンジの付属品(オーブン皿など)やお盆等を収納する用途としては重宝します。レンジの付属品やお盆等は直接冷蔵庫の上に置いて収納することも
できますが、キチンと見えない様に収納したい場合にはこの高さでも、冷蔵庫上吊り戸棚として役割を果たします。
まとめ
冷蔵庫上吊り戸棚はあくまでも収納を増やす為のオプションなので『高さ』がどれだけ取れるのかは重要な判断基準となります。思うように収納力を発揮できない場合は相談の上、設置を見送って頂くこともあります。(有効高さ8センチでも設置するケースもありますが、、、)
既存壁のサイズは変えることができません。更にマンションでは梁があったりと不利な条件が重なることがあります。そんな決められた条件の中で最大の収納力を発揮しベストな納まりを提案できる様、心掛けていきたいと思う次第です。
今日も最後まで目を通して頂き、有難うございます。
オーダー家具専門店GNASH(ナッシュ)の内山でした。