オーダー家具はスキマ無しで壁に設置をしますが、お部屋の建築巾木(以下、巾木と呼びます)の出っ張ている部分の処理方法は意外と知られていないことかと思います。お客様から「巾木がありますが壁にピッタリと家具は付きますか?」と問い合わせを頂く事もあります。今日はそんな『巾木』のお話をさせて頂きます。
お部屋には、ほぼ必ずある巾木(はばき)
家具を設置するお部屋の中には必ずと言っていいほど『巾木』が廻っています。
巾木
壁と床が接する部分をキレイに処理する為の部材です。サイズは物件によって差がありますが、高さでおおよそ30~60ミリ程、厚みは8ミリ程です。そして、家具にも巾木を付ける場合は基本的にはお部屋の巾木のサイズを基準とします。
家具の巾木
家具の巾木をセットしたところ、この上に本体が乗ります。家具にとって巾木は扉と床が干渉しない為に必要であったり、間接照明等の配線の通り道(ルート)になる重要な部材です。お部屋の巾木の高さは実際にはプラスマイナス1ミリ程度の“ブレ”があります。したがって、GNASHの場合はマージンをみて家具の巾木は、お部屋の巾木の高さプラス2ミリに設定します。
プラス2ミリで設置
プラス2ミリにすることにより家具と壁はスキマ無くピッタリと設置することができ、更に壁際の扉は開閉する際、お部屋の巾木にぶつかることなく壁までしっかりと開く様になります。
ここまでは通常の納まりですが、時としてお部屋の巾木と家具の巾木高さを揃えないで製作をすることもあります。デザイン上、巾木を小さくしたい場合や、有効高さを多く取りたい場合などです。
お部屋の巾木より家具の巾木が小さく設置!
画像はお部屋の巾木高さ42ミリに対して、家具の巾木高さを20ミリに設定した事例です。この様な時は
“欠き込み加工”で対応!
巾木より上の部材を“欠き込み”加工をして壁に付けます。あくまでもスキマは出さない様に納まりを考えます。
まとめ
巾木は物件ごとにサイズが違います。建物にとっても重要なパーツですが家具にとっても重要なパーツです。私は現調(寸法の検寸)の際は巾木から寸法を測るクセが付いています。ミリ単位で寸法を調整していくので、ヒザを付きながら顔を床に近づけ巾木目線で慎重に測ります。
また、巾木は単純な構造ですが奥が深いです。先に設置することが殆どですが“後付け”する場合もあります。重量物を乗せる場合は構造も変わります。間接照明の電源装置などを収納することもあります。巾木前面や側面にコンセントを増設することもあります。このコンセント増設は便利なオプションなので、別の機会に紹介させて頂きたいと思います。
今日は『建築巾木と家具巾木の関係』のお話でしたが参考にして頂けますと幸いです。最後まで目を通して頂き、有難うございます。オーダー家具専門店GNASH(ナッシュ)の内山でした。