前回は既存壁と冷蔵庫上吊り戸棚の納まり(寸法)のお話で既存壁と『高さ』の関係の説明をさせて頂きました。今回は既存壁と『幅』と『奥行』の関係の説明をさせて頂きます。
前回説明させて頂いた『高さ』もそうですが、『幅』と『奥行』も既存壁の形状に大きく左右されます。既存壁の形状は大きく分けると3パターンの形状になりますが『幅』と『奥行』に関しては3パターンの既存壁の形状ごとに説明をさせて頂きます。
平面壁タイプの『幅』と『奥行』
戸建て、マンションでも見かける壁の形状です。
平面壁タイプと『幅』の関係
こちらは、戸建てに納品した過去事例ですが、冷蔵庫スペースは90センチと少し大きめに取っています。平面壁タイプでは冷蔵庫上吊り戸棚の“幅”は自由に設定できますが、目安としては“冷蔵庫のサイズ”を元に設定をします。
具体的には今使っている冷蔵庫の幅と、将来買い替えた時のサイズ変更までを考慮して幅を決めます。その際、壁際の冷蔵庫の扉が90度以上は開く様に、少し余裕を見た幅の設定をおススメしています。
平面壁タイプと『奥行』の関係
こちらも戸建てに納品の過去事例ですが、セパレートタイプの場合の冷蔵庫上吊り戸棚の奥行は、
食器棚の吊り戸棚が基準になる為、通常は冷蔵庫より下がって納まります。
食器棚の(冷蔵庫上吊戸棚の)奥行を増やすこともできますが、圧迫感等を考慮する必要があるためにバランス感は都度、相談をさせて頂いております。
食器棚が壁面タイプになると家具の奥行も調整し易いので、冷蔵庫の奥行を考慮しての製作も可能になります。
しかし、単純に食器棚を60センチ、70センチと大きくするだけでは、コスト面や使い勝手の面で新たに別の問題が発生してきます。見栄えとコストと使い勝手をトータルで考慮する必要があります。
凹み(くぼみ)壁タイプの『幅』と『奥行』
この壁は主にマンションでよく見られる形状です。食器棚の設置場所(平面)より冷蔵庫の設置スペースが凹んでいます。物件により差がありますが、おおよそ25センチ前後の段差があります。
凹み壁タイプと『幅』の関係
冷蔵庫上吊り戸棚の幅は、一般的には、この凹んだスペース(冷蔵庫設置スペース)が基準となります。
凹み壁タイプと『奥行』の関係
マンションに納品の過去事例ですが、平面壁より冷蔵庫スペースが約28センチ程凹んでいるので、
冷蔵庫上吊り戸棚は食器棚吊り戸より28センチ奥行を大きく取る事ができています。
更に28センチの凹みが有利に働き、食器棚下台と冷蔵庫の前面が揃うのでキレイに見えるメリットがあります。食器棚の吊り戸棚の奥行は標準で32センチです。事例では10センチ増やし42センチにしているのですがそれだけでもかなり冷蔵庫の前面に近づきます。ここでも28センチの凹みが有利に働き、吊り戸棚の圧迫感を抑えたまま、冷蔵庫前面に近づけることができています。
したがって、凹み壁タイプは冷蔵庫上吊り戸棚を設置し易い壁形状であると言えるかと思います。
独立タイプ
マンションに納品の過去事例ですが、キッチンの中で冷蔵庫設置スペースが独立しているタイプです。このタイプの場合は『幅』と『奥行』は必然的に壁合わせになります。
まとめ
3回に渡り冷蔵庫上戸棚の説明をさせて頂きましたが、冷蔵庫上吊戸棚は奥深いアイテムだと改めて感じました。今日の内容は簡潔にまとめてしまいましたが、実はまだまだ説明できていない点があります。
もう少し資料を揃え、改めて補足をさせて頂ければと思います。
今日も最後まで目を通して頂き、有難うございます。
オーダー家具専門店GNASH(ナッシュ)の内山でした。