打ち合わせの内容をもとに、ご提案図を作成
私は普段、オーダー家具の打合せをメインでお客様の元にお伺いをしています。有難いことにここ数年はかなりの頻度で打合せの依頼を頂いておりますが、打合せの後には“提案図”の用意が必要となります。
オーダー家具には提案図(図面)は必須で、かなり重要な要素です。昔は手書きだった図面も今はCADによる図面が主流ですが、私はCADが使えません。少しトライしてみたこともありますが、自分には無理だと早々に見切り図面は全てスタッフさんにお願いをしています。図面を書かない分、その時間を更なる打合せだったり、他の業務に充てることができるので今後もCADにトライすることはなさそうです(言い訳ですが・・・)。
しかし、それでもCADで製図する前の資料作りは自分で用意する必要があり、ここは自分の仕事の大切な領分です。お客様との打合せ後は、お客様の理想の家具を具現化する為の仕様や納まりを集中して考えます。アイテムによっては打合せ帰りの移動中にまとまることもありますし、複雑な納まりの時は何日かに分けて考えることもあります。
私の場合、複雑な納まりを考える時は一度で考えるより、あえて間隔を空けて考えた方が問題が一気に解決することが多いです。それは、間隔を空けている間も納まりの事は意識はしているので、潜在意識が勝手に考えてくれているからと感じています。気分転換中だったり、食事やお風呂、厄介なことに(?)睡眠中にも考えがまとまることが多々あります。ちなみに、最近打合せをさせて頂いた『食器棚』があったのですが、結構な難解案件でした。
やはり、何度かに分けながら形状や使用できそうな金物、強度などを考え、お客様のイメージを脳内3Dで必要な部材に変換しながら部材の数値等をメモ紙に書きなぐります。
イメージを描いてみる
こんな感じです!
徐々に形と寸法が整理されていきますがひとつ、脳内3Dでは描けない箇所が残ってしまいました。そんな時には、紙で模型を作ってみます。
模型を作ってみる
模型らしき物!
普段はメモ紙や段ボールでバサバサと作るのですが、今回は少しきれいな箱を使いました。段々楽しくなってきて、模型をよりキレイに詳細に作りたくなる誘惑にも駆られますが、あくまでも納まりのイメージの整理が優先。
下書き完成!強度と有効寸法の拡大に成功!
下書き完成!
そして、この“マンガ”をもとにCADで図面を書いてもらいます。模型を作ってみたところ・・
・当初予定をしていた金属の補強が無くても強度上問題無しと判明。
・欲しかった有効横幅を25ミリ大きく取ることができた。
など、必要最低限のパーツで強度と有効寸法を拡大することができました。
この案件の家具の納品は6月下旬から7月上旬の予定なので、その際はまた紹介をさせて頂きます。最後まで目を通して頂き、有難うございます。オーダー家具専門店、GNASH(ナッシュ)の内山でした。
追記
その後、家具が完成しましたのでこちらでご紹介しております。ぜひ、ご覧ください!