オーダー家具は、主に化粧合板という素材使用し製作をしております。化粧合板には様々な種類があり、使用用途に応じて使い分けをしています。
・無垢材の様な質感を重視する場合:天然木突板
・扉や天板等で表面強度を重視する場合:メラミン化粧合板
・コストを重視する場合:ポリエステル化粧合板
などが一例となります。中でもポリエステル化粧合板は、強度とコスト面のバランスが優れた素材なので多用しているのですが、デメリットがあるとすれば、化粧合板独特のニオイがするというところです。今回はそんな化粧合板独特のニオイについてお話をさせて頂きます。
化粧合板独特のニオイとは?
この化粧合板独特のニオイは、ポリエステル化粧合板のポリエステル樹脂という素材に含まれる『スチレン』という物質が主たる原因となっています。どんなニオイかというと表現は難しいのですが、家具職人的例え(?)とするならば、普段、製作時に使用している“ゴム糊”などの匂いに近い感じがします。(分かりにくくてすみません)
私にとっては工場で家具を作っていた時、よく嗅いでいた馴染みのあるニオイで、オーダー家具のニオイといった感じです。納品の際等でこのニオイと対面すると当時のことが蘇り、ノスタルジックな想いにさえ浸ることのできる(?)懐かしいニオイです。
しかし、通常の方の感覚はここまで麻痺していないので、このニオイを不快と感じる方が大多数なのは容易に想像できます。
ニオイはいつまで続くのか
この独特のニオイもやがては徐々に薄くなり、通常は気にならないレベルに落ち着いてくれます。イメージとしては車も新車時には独特なニオイがしますが、だんだんと気にならなくなるイメージです。
本棚など扉の付かないアイテムは常に外気と触れているので、ニオイは割と早く抜けますが、扉や引き出しの内部等は密閉状態に近いのでニオイがこもりやすく、抜けるまで時間がかかるのが現状です。
ニオイに害は無いのか
ニオイの元は『スチレン』という物質が原因なのは先に述べた通りですが、このスチレンやシックハウス症候群を引き起こすホルムアルデヒドの発散量を規制した内装材の基準があり、『建築基準法』という法律で定められております。
その中でも最上位規格が『フォースター(F☆☆☆☆)』という規格ですが、当店で使用している材料は、合板から接着剤まですべてこの規格の物を使用しています。
したがって、完全無害と言い切ることはできませんが、少なくとも人体に害を及ぼすレベルではない、と言えるのではないかと感じております。
ポリエステル化粧合板の代替えは無いのか
この部分の説明は長くなりますので、続きは別記事「化粧合板独特の匂いを抑えた『ノンスチレンポリ』の紹介!」というタイトルで説明をさせて頂きます。参考にして頂けますと幸いです。最後まで目を通して頂き、有難うございます。オーダー家具専門店、GNASH(ナッシュ)の内山でした。